(大友良英)
さて、後半は内外の新譜を紹介する「ホットピックス」のコーナーです。 先ずは、チェリスト翠川敬基とピアニスト黒田京子が、 2007年に亡くなったパーカッションの巨人です、富樫雅彦の楽曲のみを録音したアルバ ム『Wishing 富樫雅彦に捧ぐ』を聴きたいと思います。 東京のライヴハウスが立ち上げた『インエフ・レーベル』の第一弾のアルバムで、 録音自体も2023年の4月に『インエフ』で行われたものです。 今日はその中から2曲紹介したいと思います。
最初にかけるのは、アルバムの一番最後に入ってます『スピリチュアル・ネイチャー』 これ富樫雅彦さんの代表曲ですね。 この曲に関しては翠川敬基さんのチェロと黒田京子さんのピアノの他に、 『インエフ』のマスターでもありますベーシスト佐藤浩秋が入ってます。 そして次にかけるのはアルバムの1曲目に入ってます。これも素晴らしい曲です。名演 です。『ヴァレンシア』 この2曲を聴いてみましょう。 8.『スピリチュアル・ネイチャー』 1.『ヴァレンシア』 いやー凄い、、、演奏。息を呑むくらいの素晴らしい演奏、ですね。 チェロの翠川敬基さんとピアノの黒田京子さんの、二人のメインによるアルバム『 Wishing』から『スピリチュアル・ネイチャー』そして『ヴァレンシア』 ほーんとに美しい!ってか、 ごめんなさい、なんかぱっと感想が出ないくらい今感動してますけども、、、。
実は僕、黒田京子さんとは80年代に、僕が音楽シーンに出るきっかけを作ってくれた一 人で、 すごく世話になった人で尊敬してる人なんですけど、、、 やっぱ当時から凄いと思ったけど、ほんとに素晴らしいピアニストだなと思いますね。 そして翠川敬基さんの方は、もう僕が70年代から大ファンで、もう何度ステージ観たか 判りません。 もう一方的に「片思い」なんですけども、ベストって言えるくらいのアルバムじゃない ですかね。
あとね、このアルバム「蝶」がジャケットになってたりするんですけども、 それは富樫雅彦さんが蝶々取るの凄いお好きで、日本中世界中の蝶集めてたりしたんで すね。 で、そんなエピソードを翠川敬基さんがライナーノートで書いていたり、 黒田京子さんが富樫さんとの関係を書いていたりとかですね、 このアルバムを作った『インエフ』のマスターの佐藤さん、がライナーを書いていたり してて、 そのライナーが充実していて、それ読むだけでも、すごく日本のジャズ史のある部分が 見えて来る位のいいライナーです。 ライナーを読みながらこのアルバムを通して聴いてもらえるといいんじゃないかな。 ええ、ちなみに、ちょっと聴いたばっかりの情報なんですけど、 翠川敬基さん、ご病気で今療養中なんだそうです。 7月復帰を目指してるそうなんですけども、どうかどうかお大事に。また翠川さんの演奏が聴けることを期待してます。