• Jazz & 地酒 in “ F ”

『献呈~君に捧ぐ』
「100才になった母へ」
東京都「エフはフリーのエフ」

母は1925(大正14)年11月11日に生まれました。
7年前に亡くなったのですが、生きていれば先日100才の誕生日でした。
母の名前は、その当時、戦艦陸奥(むつ)が新潟市に寄港したことに因んでつけられたと聞いています。
かように、母の青春時代は「戦争の足音」と共にあったといえます。
女学校を出た母は、今の「JR」、当時の「鉄道局」に就職します。
そこに合唱サークルがあって、音楽好き歌好きな母は早速入部しました。
そんな母の子供・私も、音楽好き歌好きな子供として育ちました。
そして、4年生になった時、学内の合唱団に入団することができました(一応「選抜試験」があったのです)
そのことを母はとても喜んでくれました。
そして、その合唱団を指導して下さっていたN先生が、ある時、なんとモーツァルトの
『アヴェ・ヴェルム・コルプス』を持って来て下さったのです。
歌詞は見たことのない「横文字」で(ラテン語ですから)、必死に「カタカナ」でルビを振って歌いました。
当時私は確か5年生、10才位の少年でしたが、その「凄さ」は一発で判りました!
何か、天から降りてくる音楽と言うか、そして、我々もその音に包まれてそのまま天上に昇っていくが如く、と言いますか、、、。
ある意味、この曲は「私の原体験」です。
今でも「そら」で歌えます。「カタカナ・ラテン語」ですが。
で、ある日、この曲を家で練習していると、母が傍らに来て、あるレコード会社の商標
「蓄音機に耳を傾けている犬」状態でじっと聴いていて、ふと呟きました「ああ、この
曲、私の葬儀の時にかけてほしいわ」何か「映画のワンシーン」ように今でも鮮明に思い起こされます。
7年前に母は亡くなりました。
その葬儀でかけられなかったこの曲を、この電波をお借りして天上の母に捧げます。
お母さん届いていますか。

モーツァルト『アヴェ・ヴェルム・コルプス』
バイエルン放送合唱団。バイエルン放送交響楽団。指揮・バーンスタイン。

(市川)いやぁ、お母さまに、届いた、ことを、ね☆願います。